100%正字で書かないとダメか?

結論から言ふと私の考へでは全然OKです。適度に略字が混じつてゐてもOKです。大體、PC自體100%完璧な正字をサポートしてゐません。從つて、Webページで情報を發信する限り完璧は無理です。そもそも完璧な正字とは何かといふ結論も出てゐませんし、今後も出さうにありません。私が實踐してゐる正字環境は、「常用漢字表で明示された傳統字体で、かつJISX0208の規格に收まるもの」です。ユニコードを使へばもう少し使へる正字の數が増えますが、最近は携帶電話からの閲覽もあるので、特別なフォントが必要な正字は避けてゐます。

あと、代用漢字の復元「編集」→「編輯」などありますが、これもそれほど氣にしてゐません。代用漢字を使つても漢字そのものが間違つてゐる譯でないので、私は受け入れます。實のところ、本人の無智から使つたのか、意圖的に使つたのか、區別の付けやうがないので、文句を言へません。

正字と違ひ、正假名遣ひには基本的に變種がありません。詞の部分は、學説によつて一部搖らぎがありますが、大半が漢字に隱されて問題になることはありません。一方、辭の部分(活用語尾、助詞、助動詞)は搖らぎがありません。特に、形容詞の終止形に「ひ」や「ゐ」を使ふ『僞假名遣ひ』がネット上で目に餘るので、氣を付けてください。

形容詞の終止形は、「〜き」のイ音便なので、「〜ひ」や「〜ゐ」にはならず、「〜い」になります。

  • ○狂ほしい(×狂ほしひ、×狂ほしゐ)
  • ○思はない(×思はなひ、×思はなゐ)
  • ○閉ぢたい(×閉ぢたひ、×閉ぢたゐ)