タイプライターとDvorak配列

http://slashdot.jp/~yasuoka/journal/424050

 安岡先生の研究には、タイプライターネタも含まれる。確かに、既得權益を維持するために、新しい規格が不利になるやうな調査結果を出すことはどの業界でもやりさうなことだ。

 ところで、タッチ・タイピング(ブラインド・タッチ)は、最初の習得は大變だが、タッチ・タイピングの技術を持つ人が違ふ配列を身に付けることはそれほど大變ではない。前者の習得時間を10とすれば、後者は2の割合だらう。これは私の體驗である。

 私は、最初ローマ字入力タッチタイピングを習得した。その後、ローマ字入力から、カナ入力に切り替へようとして、JISカナ配列に挑戰したが、二日もあれば、習得できた。ところが、思ったほどJISカナ配列は效率の良いものではなく、特に、濁點と數字入力で、無駄な指の動きが多く、斷念した。親指シフトなら效率が良いのかもしれないが、これは、特殊なキーボードか、最低でもエミュレータが必要なので、試してゐない。

 實のところ、私は、キーボードエミュレータに頼るのが嫌ひである。また、106と101キーボード程度の差なら、特に苦痛もなく、瞬時に兩者を使ひ分けることができる。

(といふ時代もあったけど、最近は少し苦しいかな。若い頃は、PCとWSを机に竝べて開發してゐたので、キーボードに觸った瞬間、頭の中で切り替へができた。時々、大學研究室上がりの新人達が配屬されて、エミュレータを使ひたがったけど、プロなら、お客樣のPCやWSで直接障碍對應することも考慮して、エミュレータを使ふのは恥といふ雰圍氣だった。お客樣のPCにエミュレータを入れて、環境を壞してしまったら、ますます、クレーマーの火に油を注ぐやうなものだ。)

 話は逸れたが、安岡先生の例にあるDVORAK配列の被驗者は、時間的な習練不足もあったが、サボタージュも行はれたのだらう。能力的に、QWERTYからDVORAKに移行するのはそれほど障碍があるとは思へない。タッチ・タイピング習得は、キーボードの非目視が最大の牆壁で、それを越えれば、キー配列の違ひは意外と牆壁が低い。