各論より總論

 結局、「飛翔體」そのものが關心事になるわけだ。どうも皆さん總論よりも各論が好きなやうで。確かに、日本語學の書籍で賣れるのは、語源とか俗語に關係する本、漢字學の書籍で賣れるのは、難讀字の本、舊字舊假名遣ひ關連の書籍で賣れるのは、明治時代のレトロな外來語表記と、やたら八の字を強調した書體デザイン一覽表。新常用漢字表で氣になるのは、一點之繞と二點之繞の差異。中心になる設計思想よりも雜學的な知識が大好きといふことか。
 とにかく、大局だけは見失はずに、言ふべきときに言ひたいことを言ってくださいな。4月16日が新常用漢字表への意見公募締切日だ。