天皇論

 書籍と言っても、小林よしのり氏による漫画であるが、今の時代、電子入稿すれば流れ作業で電子出版できる文字だけの書籍と違ひ、作画が必要な漫画を書き続ける苦労には頭が下がる。したがって、この書籍は実費で購入した。
 内容は、天皇の本質を付いてゐて良い。かういふ天皇論が漫画で出ることは非常に意義がある。今までは漫画で天皇を扱ふものは、ほぼ間違ひなく左翼系の天皇批判書であった。
 余談だが、活版印刷から電子印刷に移行して、むしろ書籍の値段が上がってゐるのはなぜだ。どう考へても、後者の方が出版までの総合人件費は少ないし、在庫調整もしやすい。電子データさへ保持しておけば、注文印刷だって可能なのに、未だに絶版なんて前世紀の悪弊を引き摺ってゐる。