琉球語が広まった地域

 言語の系統樹なのですが、琉球語の場合、日本語と確実な同系関係があること、使用範囲が琉球諸島に限定されてゐるのが特徴です。日本語と同系にあることから、日本語と琉球語の地理的境界線は連続してゐるのですが、台湾先住民諸語とは全く関係がなく境界線で断絶してゐます。
 琉球諸島全域に広がってゐることから、琉球民族は優れた航海術を持ってゐるのは確実で、当然、台湾にも渡航してゐたはずですが、定住することはなかったやうです。小島であれば、島全部を同族で固めることができますし、猛獣の危険もない、疫病も管理可能ですが、台湾のやうな大島になると、猛獣は住んでゐますし、正体不明の疫病も定期的にはやります。そして、何よりも言葉の通じない先住民と住み分けを行ふのですから、定住にはそれなりの苦労と軍事力が必要だったはずです。それは海洋交易を行ふ琉球民族としては、苦労してまで台湾に住むには費用対効果がなかったのでせうね。