日本語はなぜ變化するか―母語としての日本語の歴史 → ISBN:4305701847
細かいところを言へば異論も多いけど、このやうな機能面だけに注目した日本語論は必要だと思ふ。
- 1、終止形が連體形に吸收されたのは、言ひ切りを嫌ひ、餘情を好む日本人の心情ではなく、單純に、四段活用と二段活用の終止形が混同しやすいので、それを避けたため。もともと四段活用には、終止形と連體形の違ひはないので、餘情云々とは關係がない。
- 2、助動詞はもとの形が類推できなくなつて初めて成立する。
- 3、日本語の代名詞が複雜なのは、待遇關係の表現を、文頭に來ることが多い代名詞に集中させるため。英語は助動詞が文頭に來ることが多いので、助動詞が待遇關係を受け持つてゐる。