正字派=國際派、略字派=鎖國派なのだ

 小形さんの連載はすごく資料價値も高く素晴らしいのだが、正字派にとっては、讀めば讀むほど、略字が破綻してゐるといふ結論しか見出せない。よく、正字派=復古指向、略字派=未來指向と揶揄する人が多いけど、國際的に考へれば、日本で勝手に作り上げた略字を押し通すことは迷惑でしかありえない。正字は、臺灣や韓國では現役の字形だし、中國だって、簡體字のポインタとして繁體字(正字)が存在してゐる。現代假名遣ひが歴史的假名遣ひの存在がなければ、全く根無し草のやうに、正字のポインタがない略字に何か理論的なものを求めても全く無駄な努力になりさうだ。