英語には以下のやうに複数の否定表現がある。ただし、非母語の人にとって何を持って否定表現と見なすのか感覚的には理解できない。ここでは、「any」と呼応関係にあるものを否定表現にした。
never | "I never read any book" | 129,000件 |
---|---|---|
not | "I don't read any book" | 75,900件 |
barely | "I barely read any book" | 3件 |
hardly | "I hardly read any book" | 16件 |
rarely | "I rarely read any book" | 11件 |
seldom | "I seldom read any book" | 14件 |
scarcely | "scarcely read any book" | 10件 |
一方、日本語で否定に相当する表現を挙げるとすれば、「〜しか」と呼応関係にあるものと定義するのが良いだらう。さて、以下の「○」の部分に一文字の仮名を入れて否定表現を完成させてほしい。
- 漫画しか読ま○い。
- 漫画しか読む○い。
- 漫画しか読む○。
答へは、「な」「ま」「な」であるが、英語に比べて日本語は否定表現に使はれる単語数が少ないやうだ。意志表現「〜まい」と命令表現「〜な」を除けば、他は、語形「〜ない」と助動詞「〜ぬ」の活用形ぐらゐしかない。