ローマ字のつづり方: NQH式と外来音

(2024/06/29) (現カナ)

 NQH式*1で、外来音をつづるときは「`」を使って、通常の仮名と小書きの仮名(捨て仮名)をそれぞれのつづりで並べてつづります。例えば「イェ」をつづるときは「イ(i)」「`」「エ(e)」を並べ「i`e」とつづります。「`」が使えない環境では「x」を替わりに使い、「ixe」とつづります。しかし、「x」を記号としてつづりに含めることに抵抗も多く、実際の読みに近いつづりが求められています。ここで追加の決まりを作りました。

  • 「i`」「u`」「e`」「o`」を含むつづりで「`」が使えないときは、読み間違いのおそれがなければ、「i`」「u`」「e`」「o`」を省くことができる。
  • 上記以外の場合、「i`」「u`」をそれぞれ「y」「w」に置き換える。

 この決まりを内閣告示「外来語の表記*2」に掲げられた42個の外来音に当てはめると下記のようになります。括弧内は、日本式*3のつづりと読み間違いのおそれがあるつづりです。

イェ ウィ ウェ ウォ ヴァ ヴィ ヴェ ヴォ ヴュ ヴョ
i`e u`i u`e u`o vu`a vu`i vu`e vu`o vu`yu vu`yo
va vi ve vo vyu vyo
ye (wi) (we) (wo)
キェ クァ クィ クェ クォ グァ グィ グェ グォ
ki`e ku`a ku`i ku`e ku`o gu`a gu`i gu`e gu`o
kye (kwa) kwi kwe kwo (gwa) gwi gwe gwo
シェ ジェ スィ ズィ チェ ツァ ツィ ツェ ツォ
shi`e ji`e su`i zu`i chi`e tsu`a tsu`i tsu`e tsu`o
she je (si) (zi) che tsa tsi tse tso
swi zwi
ティ テュ ディ デュ トゥ ドゥ
te`i te`yu de`i de`yu to`u do`u
(ti) (tyu) (di) (dyu) (tu) (du)
ニェ ヒェ ファ フィ フェ フォ フュ フョ
ni`e hi`e fu`a fu`i fu`e fu`o fu`yu fu`yo
fa fi fe fo fyu fyo
nye hye


 上記の一覧で括弧内のつづりでも、文脈で読み分けることができるので、そのまま使えますが、厳密に書き分けたい場合は下記のつづりを使います。

ウィ ウェ ウォ ティ テュ ディ デュ トゥ ドゥ
u`i u`e u`o te`i te`yu de`i de`yu to`u do`u
(ti) (tyu) (di) (dyu) (tu) (du)
(wi) (we) (wo)
whi whe who thi thu dhi dhu twu dwu

 日本式の「ヰ, ヱ, ヲ, チ, チュ, ヂ, ヂュ, ツ, ヅ」と重なりますが、旧JIS X 4063*4の定義に準じ、「whi, whe, who, thi, thu, dhi, dhu, twu, dwu」で書き分けできます。

クァ グァ
ku`a gu`a
(kwa) (gwa)
kwa gwa

 日本式の「クヮ, グヮ」と重なりますが、「クァ, グァ」と読み方に違いはなく、「kwa, gwa」をそのまま使っても問題ないでしょう。