惑星X

惑星Xは、海王星の外側を約1000年周期で回る太陽系9番目の惑星として、神戸大の向井正名誉教授と、研究員だったブラジル出身のパトリック・ソフィア・リカフィカさん(現近畿大助教)が理論計算で存在の可能性を導き出し、昨年2月に発表した。大きさは地球に匹敵するという。

2008年には神戸大学のパトリック・リカフィカ、向井正らが惑星Xの予想軌道を算出した[1]。この予想軌道は、天王星海王星はもともと現在の位置より内側で誕生し、木星土星の重力による摂動で外側へ移動(ミグレーション)したという仮説に基き、現在の海王星の軌道付近で誕生した天体が海王星に押し出されるように外側へ移動したと仮定してシミュレーションしたものである。

その移行の過程を説明する有力なモデルの一つは、形成された巨大惑星が残存していた円盤物質の抵抗による減速で、あるいは円盤自体が恒星の重力によって収縮するのに巻き込まれて次第に恒星に近づいていったとする「惑星落下モデル」である、

(中には惑星が出来ては落下し、出来ては落下しが繰り返された末、円盤が消失する直前に形成された惑星だけが残ったとする説まである)。

 単純に惑星探査だけだとト印の印象も受けるが、太陽系生成に絡む問題だから興味深い。天王星のやうに質量が地球の15倍ある巨大惑星が横倒しになって自転してゐたり、海王星の衛星トリトンのやうに月に匹敵する大衛星が逆行軌道上にあり将来は海王星に落下したりと、外惑星領域も静かな世界とは言へないやうだ。