声門閉鎖音「q」は時期尚早か?

(2021/12/30) (現カナ)

a i u e o ya yu yo wa wi we wo
['] 'a 'i 'u 'e 'o 'ya 'yu 'yo 'wa 'wi 'we 'wo
[q] qa qi qu qu qo qya qyu qyo qwa qwi qwe qwo
[`] `a `i `u `e `o `ya `yu `yo `wa
[x] xa xi xu xe xo xya xyu xyo xwa

 上表の仮名は、子音を含まず母音と半母音のみで拍(モーラ)を作るものです。環境によって声門閉鎖音という子音を前に添えるものと、直前の拍と結びつき拗音という拍の一部に成るものもあります。ローマ字の「'」は単なる記号ではなく、声門閉鎖音を無意識のうちに示しています。代表例が撥音と母音の結びつきを防ぐものです。意識はしていないでしょうが、長音の後ろに母音が来るときもこの子音が現れます。

  • 声門閉鎖音「'」: kan'i (簡易)、Oo'oka (大岡)

 声門閉鎖音は立派な子音なので「q」という独立した英字を割り当ててもいいのですが、仮名にはない概念なので、声門閉鎖音を「q」で明示的に示すことは違和感を与え、「q」の普及は時期尚早の気もします。

  • 声門閉鎖音「q」: kanqi (簡易)、Ooqoka (大岡)

 一方、直前の拍と結びつき拗音になる記号として、NQH式では「`」を定めています。単独でも使えますが、直前にくる母音に上に付けることもできます。日本語固有の拗音には既に英字の組み合わせが定められているので通常は使いませんが、外来音には使われます。

  • 拗音化「`」: shi`yougi=shìyougi=shougi (将棋)、chi`esu=chìesu (チェス)

 仮名の場合、拗音化は小書き仮名(捨て仮名)で表します。ローマ字入力では「`」の代わりに「x」が使われます。

  • 拗音化「x」: chixesu (チェス)