国語課題小委員会(第51回)(令和4年6月17日)

(2022-06-22) (正カナ)

 議事録がまだ未公開の状態ですが、どうやら「ローマ字は訓令式ヘボン式か」の議論があったやうです。

 また、川瀬眞由美テレビ朝日アスク取締役は「地名も人名もすでに混乱が起きている。何種類もあり不便につながっているので、日本語の音をどうアルファベットで表記するのかは、ある程度意見を集約して関係省庁や部局に提言してもいいのではないか」と提案した。

 いや混乱を起こしてゐるのは、訓令式ヘボン式の差ではなく、長短の方でせう。地名・人名で訓令式なんてほとんどお目に掛れません。一方、長音を「ou」や「oo」や「oh」とつづるのは割りとあります。「Tokyo」「Osaka」など古くからの地名はともかく、「大通り」を「Odori」とつづるのには抵抗がある訳です。「Oodoori」や「Ohdohri」とつづりたくなる訳です。実際、大谷翔平選手も「大谷」を「Otani」とはつづらずに「Ohtani」とつづってゐます。

国語課題小委員会(第45回)(令和3年9月17日)

(2022-06-22) (正カナ)

 最近、ローマ字界隈で動きがありさうなので、文化庁のページを探してゐると、やうやく長音問題を取り上げる意見が出てきたやうです。

○前田委員
(中略)
 ただ、ヘボン式で非常に気になることが二つあります。一つは日本語の長音をうまく書けないという問題があることです。例えば外務省の文書がありましたが、オノさんとオオノさんは同じ表記になってしまうわけです。オオノさんは、もし別の書き方をしたければHを入れてもいいです、事前に御相談くださいというようなことが表の次のページに書いてはありますが、日本語の音韻として短音と長音ははっきり別のものですので、この長音を何とかできないかというのが一つ目です。
 もう一つは、同じ長音のことです。これはヘボン式だけでなくて三つともそうなんですが、母音の上に何か記号を付けることになっています。ヘボン式マクロンと呼ばれる横棒「?」です。訓令式や日本式はアクサンとか、ハットマークとか、サーカムフレックスと呼ばれる山型「^」のものを付けるようになっているようです。三つの方式のいずれも母音に何か記号を付ける、これは手書きだったらまだいいですが、現在のようにキーボードで打つ場合は非常に難しいことになっています。キーボードも日本語キーボードが今、一般的かと思いますが、少なくとも日本語キーボードだけでも日本語をローマ字化できるようになるというくらいの調整ができるようになると、実際に有難いことになるのではないかと思っています。

 一番目は、正しくは、長短の区別を付けないのはヘボン式のせゐでなくパスポート式のせゐです。ヘボン式だと「Ono」「Ōno」で区別を付けます。訓令式でも「Ono」「Ôno」「OONO」と区別を付けます。ところが、パスポートは訓令式の「Ôno」しか認めず、しかもパスポートの国際規格で字上符が使へないので、大胆にも「^」を省いて「Ono」にしてしまったのです。せめて「OONO」とする発想があれば、ローマ字の長音問題は今ほど深刻ではありませんでした。
 二番目は、「Ō」や「Ô」の入力が電子機器で面倒だといふ点は正しいです。ところが入力デバイスの改良で入力をしやすくするといふ発想は無意味です。パスポートの国際規格が「Ō」や「Ô」を認めない限り、日本語のローマ字における長短の問題は依然残ります。一番簡単なのは、仮名遣ひ通りに「Ou」や「Oo」とつづることを認めればよいだけです。
 頑なに「Ou」の長音を認めない訓令式原理派の人達は、自分でローマ字のブログやツイッターをやれば、どんだけ「Ō」「Ô」が邪悪なものか実感を持てるでせう。ブログは HTML ベースなのでまだ何とかなりますが、スマホからツイッターで「Ō」「Ô」なんて、コピペでしか入力手段がないないので、気軽に呟ける代物ではありません。

ローマ字ツイッターを記事ヘッダーに移動

(2022/06/11) (正カナ)

 ローマ字ブログ*1には様々な題材を集めて、資料集として更新を続けてゐましたが、題材集めとその資料加工に見合った閲覧数まで増えません。別に閲覧数を稼ぐためにブログをやってゐる訳ではないのですが、ローマ字文を広めるために、ブログといふ媒体はあまり向いてゐないことに気付きました。要するに Google が日本語で書かれたローマ字の羅列を意味のある文字列として上位に置かないからです。これでは私以外でもローマ字文でブログを続けるモチベーションが続かないでせう。
 一方、ローマ字ツイッター*2の方は、280文字以内のローマ字文を書くことでツイートを増やすことができますし、とにかく、ローマ字の羅列と同じ文字列を探せば、最新順に自分のツイートが現れ、必ず誰かに存在を伝へることができます。実際、ローマ字で書いてゐるツイッターをいくつか見つけてフォローを始めてゐます。
 ローマ字文の普及はまづツイッターの更新から始め、その表示を見つけやすいやうに記事のヘッダーに置くことにしました。これでブログを訪れた人にも記事の先頭を見るだけで、最新のツイートを読むことができるやうなります。

NQH式ローマ字表の短縮表記

(2022/06/10) (正カナ)

 前回、ABC順の短縮表記をお見せしましたが、今回は、NQH式ローマ字表の短縮表記を考へます。いくつも変種ができるので、短縮表記も一定にならないし今後も改良の余地があります。

  • NQH式

{` K G S Z N B P M R}+{A U E O}
{` K G N H B P M R}+{I YA YU YO}
{` K G}+{WA}
{T D H}+{A E O}
{SH J CH DJ}+{I A U O}
{TS DZ F V}+U
{H Q N}+{'}
W+{I E O}

 「W+{I E O}」が美しくはないですが、今のところこの表記が一番短く記述できます。
 参考までに別の方式も考へてみます。

{K G S Z N B P M R}+{A U E O}
{K G N H B P M R}+{I YA YU YO}
{T D H}+{A E O}
{SH J CH}+{I A U O}
{TS F}+U
WA
N'
M+{B M P}
{A I U E O}+{^}
{KK PP SS TCH TT}

 下の四行が、撥音、長音、促音の定義になりますが、改良の余地はあるかもしれません。

{K G S Z T N H B P M R}+{A I U E O YA YU YO}
D+{A E O}
WA
N'
{A I U E O}+{^}
{KK PP SS TT}

 訓令式はダ行を除けば簡潔な短縮表記になります。

ABC順の短縮表記

(2022/06/09) (正カナ)

 ツイッターで投稿を書くと、文字数がローマ字で280文字に限られます。文字数制限があるからこそ、短縮表記を考へる知恵が生まれます。ローマ字だけで作られた国語辞典があるとすると、それはABC順にならざるをえません。ただ日本語は音節数が少ないので、つづりの組み合はせも限られてきます。先頭から共通部分を切り離して、プラス「+」の次に異なる部分を中括弧「{…}」で表します。
 実際にツイートするときは、この記述でも文字数を超えてしまふので、分割してツイートすることになります。

`+{A E I O U WA YA YO YU}
A
B+{A E I O U YA YO YU}
CH+{A I O U}
D+{A E JA JI JO JU O ZU}
E
FU
G+{A E I O U WA YA YO YU}
H+{' A E I O YA YO YU}
I
J+{A I O U}
K+{A E I O U WA YA YO YU}
M+{A E I O U YA YO YU}
N+{' A E I O U YA YO YU}
O
P+{A E I O U YA YO YU}
Q'
R+{A E I O U YA YO YU}
S+{A E HA HI HO HU O U}
T+{A E O SU}
U
VU
W+{A E I O}
Y+{A O U}
Z+{A E O U}