世界音声聲記號辭典(ISBN:4385107564)を借りた。この手の辭典的な本は、いづれ自費で購入して、座右に置きたいものである。ただし、この本を座右に置く價値があるかといへば、ちよつと疑問符である。
もちろん、この本の價値自體を否定するわけではないが、辭典といふ性格上、内容が玉石混淆になり、必要な項目が不必要な項目に埋もれて目立ちにくくなつてゐる。
ところで、この辭典は、アメリカ式の音聲記號も紹介されてをり、そこには、日本語の「シ」に當たる子音として、[š]が、「ジ」に當たる子音として、[ž]が紹介されてゐる。
[š] の代替表記として、&scron; が使へるが、[ž] には代替表記がない。兩者が使へれば、日本におけるローマ字の對立も少しは緩和されたのではないかと思ふ。
訓令式 - 第一表
sa si su se so
ta ti tu te to
za zi zu ze zo
ヘボン式
sa shi su se so
ta chi tsu te to
za ji zu ze zo
アメリカ式
sa ši su se so
ta tši tsu te to
za ži zu ze zo