『日本書紀』は何故荒唐無稽な本にしたか → ISBN:4870352362 (購入)
もし假に昭和天皇を禮贊する文獻を、英語で、支那、朝鮮も含めた全世界に發表するとすれば、どのやうな表現をとるであらう。恐らく舞臺は銀河の果て、時代は遠い過去(注意、未來にすると現在への繼承ができない。參考までに、スターウォーズの舞臺は遠い過去である。)、特攻隊は○○、原爆は○○と荒唐無稽な記述になるであらう。これと同じことが、日本書紀の時代に起きてゐたと考へるのは、合理的な發想だと思ふ。
内容は「卑彌呼=天照」、「高天原=筑紫」といふ設定で始まる。「卑彌呼=天照=支那の大罪人」といふ設定が衝撃的である。罪状は、古代において、「支那の周邊諸國で初めて獨立宣言をしたこと」らしい。これを信じる信じないは讀者の自由だが、私は、神話は、時の權力者に對して、明確にできない敗者の言ひ分を隱蔽するためものといふ説は、以前から本質を突いてゐると思つてゐるので、この本の方向性は間違つてゐないと思ふ。舊約聖書や新約聖書にでてくるハルマゲドンのやうな荒唐無稽な記述もまさにさういふ性格のものと思つてゐる。