特集「99式ローマ字」: ヘボン式派からの援軍

(2018/08/20)

 99式はヘボン式に対して何の言及もありません。日本式をベースに特殊音にも翻字にも対応したので、特にヘボン式に言及する必要もありません。かといって、ヘボン式(訓令第2表上5行)の定義が否定されるわけではありません。

  • 99式で言及のないもの: sha, shi, shu, sho, cha, chi, chu, cho, ja, ji, ju, jo
  • 99式と衝突するもの: tsu, fu

 「tsu」「fu」は、ヘボン式では「ツ」「フ」ですが、99式では「ツゥ」「フゥ」となってゐます。ただ、現実的に「ツゥ」「フゥ」が使はれることはないので、ヘボン式の定義を優先しても、実質上衝突はありません。Roomaji Bunko *1が、そのやうな理屈で、99式をヘボン式風にアレンジしてゐます。結果的に、ローマ字ブログ*2と同じ方式になってゐます。
 実のところ、99式の特殊音で、「ツァ行」と「ファ行」と「ヅァ行(翻字)」*3ヘボン式と同じ定義になってゐます。99式は2000年代の前半までは日本ローマ字会のホームページ*4で紹介されてゐましたが、残念ながら、2010年頃には既に詳細が確認できなくなってゐました。