ローマ字仮名変換の設計 - 「nn(ん)」の弊害

(2022-11-25) (現カナ)

 「nn(ん)」の定義は訓令違反であり、取り除くべき理由を上げます。

漢字 是認 全員 善人
平仮名 ぜにん ぜんいん ぜんにん
訓令定義 zenin zen'in zennin
nn(ん) zeninn zenninn zennninn
n'(ん) zenin' zen'in' zen'nin'
nq(ん) zeninq zenqinq zenninq

「nn(ん)」の場合

  • ぜにん → zeninn → ぜにんん
  • ぜんいん → zenninn → ぜんにんん
  • ぜんにん → zennninn → ぜんんにんん

 このように、「nn(ん)」の変換では、ローマ字つづりを見ると、全く訓令と異なる読みになり、訓令定義の読みを壊しています。

「n'(ん)」の場合

  • ぜにん → zenin' → ぜにん
  • ぜんいん → zen'in' → ぜんいん
  • ぜんにん → zen'nin' → ぜんにん

 IME は通常「'」を変換テーブルに含めていませんが、「n'(ん)」だけは特別処理として作り込まれています。実際、私もデフォルトの変換テーブルの場合、極力「n'(ん)」を使っています。残念ながら、「nn(ん)」が残っていると、「んに」を表すには、「nni」でなく、「n'ni」にする必要があります。

「nq(ん)」の場合

  • ぜにん → zeninq → ぜにんq
  • ぜんいん → zenqinq → ぜんqいんq
  • ぜんにん → zenninq → ぜんにんq

 訓令定義では「q」を使わないので、「q」が節々に現れますが、黙字と見なすことで訓令定義通りの読みになります。「nn(ん)」のように、後続のつづりにまで異なる読みが影響を及ぼすことはありません。また、「nn(ん)」を取り除いた後だと、「nni」で訓令定義通りに「んに」を表せます。