ローマ字仮名変換の設計 - 定義一覧

(2022-11-22) (現カナ)

 ローマ字仮名変換とローマ字つづりの違いは、ローマ字のつづりは人間の目で前後のつづりを見て読みを一つに決められますが、ローマ字仮名変換はキーを押した順番で変換後の仮名が決まってしまいます。追加で数文字押した後に元に戻って、仮名を変えることはできません。(厳密には可能ですが、そのような複雑な規則を作り込むのは難しいでしょう。)
 変換規則をまとめてみます。下線で斜体が訓令外、下線のみが訓令第二表、それ以外が訓令第一表の規則になります。

必須規則 (基本)

  • a(あ)
  • b
    • ba(ば), be(べ), bi(び), bo(ぼ), bu(ぶ)
    • by: bya(びゃ), byo(びょ), byu(びゅ)
  • c
    • ch: cha(ちゃ), chi(ち), cho(ちょ), chu(ちゅ)
  • d
    • da(だ), de(で), di(ぢ), do(ど), du(づ)
    • dy: dya(ぢゃ), dyo(ぢょ), dyu(ぢゅ)
  • e(え)
  • f
    • fu(ふ)
  • g
    • ga(が), ge(げ), gi(ぎ), go(ご), gu(ぐ)
    • gw: gwa(ぐゎ)
    • gy: gya(ぎゃ), gyo(ぎょ), gyu(ぎゅ)
  • h
    • ha(は), he(へ), hi(ひ), ho(ほ), hq(ー), hu(ふ)
    • hy: hya(ひゃ), hyo(ひょ), hyu(ひゅ)
  • i(い)
  • j
    • ja(じゃ), ji(じ), jo(じょ), ju(じゅ)
  • k
    • ka(か), ke(け), ki(き), ko(こ), ku(く)
    • kw: kwa(くゎ)
    • ky: kya(きゃ), kyo(きょ), kyu(きゅ)
  • m
    • ma(ま), me(め), mi(み), mo(も), mu(む)
    • my: mya(みゃ), myo(みょ), myu(みゅ)
  • n
    • n'(ん), na(な), ne(ね), ni(に), no(の), nq(ん), nu(ぬ)
    • ny: nya(にゃ), nyo(にょ), nyu(にゅ)
  • o(お)
  • p
    • pa(ぱ), pe(ぺ), pi(ぴ), po(ぽ), pu(ぷ)
    • py: pya(ぴゃ), pyo(ぴょ), pyu(ぴゅ)
  • q(っ)
  • r
    • ra(ら), re(れ), ri(り), ro(ろ), ru(る)
    • ry: rya(りゃ), ryo(りょ), ryu(りゅ)
  • s
    • sa(さ), se(せ)
    • sh: sha(しゃ), shi(し), sho(しょ), shu(しゅ)
    • si(し), so(そ), su(す)
    • sy: sya(しゃ), syo(しょ), syu(しゅ)
  • t
    • ta(た), te(て), ti(ち), to(と)
    • ts: tsu(つ)
    • tu(つ)
    • ty: tya(ちゃ), tyo(ちょ), tyu(ちゅ)
  • u(う)
  • v
    • vu(ヴ)
  • w
    • wa(わ), we(ゑ), wi(ゐ), wo(を)
  • x
    • xa(ぁ), xe(ぇ), xi(ぃ), xo(ぉ), xu(ぅ)
    • xw: xwa(ゎ)
    • xy: xya(ゃ), xyo(ょ), xyu(ゅ)
  • y
    • ya(や), yo(よ), yu(ゆ)
  • z
    • za(ざ), ze(ぜ), zi(じ), zo(ぞ), zu(ず)
    • zy: zya(じゃ), zyo(じょ), zyu(じゅ)

必須規則 (特殊)

  • h*(ー*)、「*」は「a, e, h, i, o, q, u, w, y」以外の英字
  • n*(ん*)、「*」は「a, e, i, o, q, u, y」以外の英字
  • **(っ*)、「*」は「a, e, i, n, o, q, u」以外の英字

追加規則 (NQH式補助)

  • d
    • dj: dja(ぢゃ), dji(ぢ), djo(ぢょ), dju(ぢゅ)
    • dz: dzu(づ)
  • t
    • tc
      • tch: tcha(っちゃ), tchi(っち), tcho(っちょ), tchu(っちゅ)

解説

 「必須規則(基本)」は、この規則だけを定めることですべての仮名表現が可能になります。訓令内の定義は説明不要なので、訓令外の定義について述べていきます。「hq(ー), nq(ん), q(っ)」は、それぞれ長音符号・撥音・促音を単独で示すための組み合わせです。人間の目であれば、「h, n」の後ろに来る英字で仮名が決まりますが、コンピュータ内では複雑な処理が必要です。処理を単純にするために、「q」を後ろに置くことで仮名が決まるようにします。なお、「h」を使った長音符号への変換は、現存の IME では実現できないようです。「vu(ヴ), we(ゑ), wi(ゐ)」は訓令定義に含まれない直音です。「xa(ぁ), xe(ぇ), xi(ぃ), xo(ぉ), xu(ぅ), xwa(ゎ), xya(ゃ), xyo(ょ), xyu(ゅ)」は小書き仮名(捨て仮名)です。単独では音価を持ちませんが、非常用に必要最低限な定義です。
 「必須規則(特殊)」は、長音符号・撥音・促音をより自然に入れるために、後続英字の選択肢をまとめたものです。
 「追加規則 (NQH式補助)」は、NQH式のつづりに合わせた追加定義です。「dja(ぢゃ), dji(ぢ), djo(ぢょ), dju(ぢゅ), dzu(づ)」を新しく定めています。「tch」による促音を扱うために、「tcha(っちゃ), tchi(っち), tcho(っちょ), tchu(っちゅ)」を追加で定めます。
 最後に慣例として外来音の変換規則を「参考規則」として示します。すべての外来音を規則的に定めることは難しく、記憶の負担になる場合、覚えるよりも、直音と小書き仮名に分けて、それぞれ英字から仮名に置き換えていくほうが確実です。

参考規則

  • c
    • ch: che(ちぇ)
  • d
    • dh: dhi(でぃ), dhu(でゅ)
    • dw: dwu(どぅ)
  • f
    • fa(ふぁ), fe(ふぇ), fi(ふぃ), fo(ふぉ)
    • fy: fyo(ふょ), fyu(ふゅ)
  • g
    • gw: gwe(ぐぇ), gwi(ぐぃ), gwo(ぐぉ)
  • h
    • hy: hye(ひぇ)
  • j
    • je(じぇ)
  • k
    • kw: kwe(くぇ), kwi(くぃ), kwo(くぉ)
    • ky: kye(きぇ)
  • n
    • ny: nye(にぇ)
  • s
    • sh: she(しぇ)
    • sw: swi(すぃ)
  • t
    • tc
      • tch: tche(っちぇ)
    • th: thi(てぃ), thu(てゅ)
    • ts: tsa(つぁ), tse(つぇ), tsi(つぃ), tso(つぉ)
    • tw: twu(とぅ)
  • v
    • va(ヴぁ), ve(ヴぇ), vi(ヴぃ), vo(ヴぉ)
    • vy: vyo(ヴょ), vyu(ヴゅ)
  • w
    • wh: whe(うぇ), whi(うぃ), who(うぉ)
  • y
    • ye(いぇ)
  • z
    • zw: zwi(ずぃ)

国語課題小委員会(第52回)(令和4年7月19日)

(2022-09-11) (正カナ)

 PDFの文書はポスター形式で読みづらいので、写し取って箇条書きに変へました。

今期(22期)以降の国語課題小委員会における審議事項(案)
I 「国語分科会で今後取り組むべき課題」(今後5~10年ほどの審議事項)を整理し取りまとめ。
○ 前期の検討を継続。令和4年度中に報告を取りまとめ。
○ 各課題は、従来の事項別の示し方だけではなく、日本語によるコミュニケーション上の問題点がどこにあるか、という観点から整理。

●「国語に関するコミュニケーション上の課題(国語課題小委員会における審議経過の整理)」(令和4年3月)で示された課題。
1 現行の内閣告示に関するもの
(1)ローマ字のつづり方に関する整理
(2)外来語の表記に関する検討
(3)常用漢字表の在り方に関する検討
2 新たなよりどころ・指針の作成
(1)語彙に関する施策の検討
(2)専門用語(外来語を含む)の扱いに関する指針の検討
3 提言を行うなど、国語分科会として取り組むべきか検討
(1)言葉のふさわしさに関する考え方
(2)情報化社会における言語コミュニケーションの在り方
(3)国際社会における日本語の在り方

II 課題整理と並行して「ローマ字のつづり方に関する整理」に着手。
○ 現在の社会におけるローマ字使用の実態に関する調査を実施した上で整理を行い、混乱を避けるための考え方を提示。
○ 必要に応じて、現行の内閣告示(昭和29年)の扱いについても検討。
○ できれば令和5年度中に報告を取りまとめる方向で検討(ただし、内閣告示の改定等について検討する場合は、この限りではない。)。
○ 次期小学校学習指導要領の改訂に関する検討の開始時期に配慮しつつ審議。

令和4年度
1 ローマ字関係者からのヒアリング(以下は例)
・教育に関する内容(国語教育、外国語教育)
・言語景観に関する内容(交通、観光等)
・ローマ字団体関係者、研究者等
・関係府省(パスポート、JIS、ISO 等)
・日本語を母語としない国内在住の生活者
2 ローマ字使用の実態調査に向けた検討
・調査内容の検討
・問い、調査対象等の検討 等
3 成果物の在り方に関する検討
・どのような成果物が必要とされているか

令和5年度(予定)
1 ローマ字使用の実態調査の実施(春頃)
2 ローマ字使用の実態に関する整理と分析
3 成果物の取りまとめ
・内閣告示の解説
・ローマ字の歴史、意義の整理
現代社会における使用状況の整理
・混乱を避けるための考え方の提示
※ 内閣告示の改定等を要する場合
→ 期の途中でも、大臣からの諮問を受けた上で、改めて検討。令和6年度も審議を継続。併せて関係府省等と調整開始。

令和6年度~(予定)
○ 上記Iの論点整理に
基づき、新たな課題について検討開始
○ ローマ字に関する成果物について周知
・ 必要に応じ各府省庁の施策との調整
・ 担当部局による教育上の適切な措置による手当て(学習指導要領への反映等)

国語課題小委(R4.7.19)
資 料 2

国語課題小委員会(第51回)(令和4年6月17日)- 議事録 - 2

(2022-09-11) (正カナ)

 9月11日にサイトを訪れたところ議事録があるのを見つけました。

昭和29年の内閣告示から70年近く経過していて、これまで特に手当てがなされていないというのが現状です。

すぐに内閣告示の改定などを検討するという意味ではなく、まずは、関係者からのヒアリングを行うとともに、どのような調査が必要であるかなど、よく検討した上で、調査も実施し、さらには現状をよく整理するということが必要であろうと思います。
そして、何らかの提案ができればと考えている次第です。
よろしければ、この課題「ローマ字のつづり方」について、今期早急に取り組むということにさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(→国語課題小委員会、了承。)

 訓令式ヘボン式の使用現状なら訓令式が圧勝でせう。最も必要なのは、長音の使用現状を正しく知ることです。

国語課題小委員会(第51回)(令和4年6月17日)- 議事録

(2022-09-11) (正カナ)

 9月11日にサイトを訪れたところ議事録があるのを見つけました。

外務省のパスポートの表記基準のようなものがあります。ベースになっているのはヘボン式ですが、特殊なところもあります。例えば大リーグにいる大谷選手は、「Ohtani」と表記しています。このようにhを使って長音を表すこともできるというような、少し幅のある基準になっているかと思います。

 それは、内閣訓令が頑なに字上符にこだはるからです。「Ôtani」以外の代用表記を示さないから、字上符の使へない環境では「Otani」になってしまひ、「小谷」さんと区別をつけるために「Ohtani」とせざるをえないのです。

私は全く見当も付かないのですが。 何でヘボン式じゃいけないのかと思います。

 前後の文脈から、この委員は現状追認派と思はれます。ローマ字を習ふ小学3年生は同訓異字の使ひ分けや複雑な送り仮名の規則を受け入れてゐます。ヘボン式程度の例外は「さういふものだ」として受け入れるでせう。

ツイッターの引用と返信

(2022-09-11) (正カナ)

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    • 引用ツイートは、一か月を過ぎるとで引用元から引用先をたどれなくなる。
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    • 返信は三代を超えるとタイムラインで一部が隠されてしまふ。
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    • 自己への引用ツイートはしない。
    • 自己への返信は三代までに留める。
    • 親ツイートに複数の返信を行ふことは問題ない。