こんな英語ありですか?

 鈴木先生の本だから、そこそこの良書だと思ったが、確かに讀み應へがあった。通時的な手法を用ゐて、現代では文法的に破格と思へる英文の謎を次々と解いてゐる。ドイツ語、フランス語、オランダ語との比較も理解に役立つ。

 やはり、大學時代に學んだ第二外國語の知識は貴重な資産だ。

 私の場合、ドイツ語は體系的な勉強を全くしなかったので、他人に自慢はできないが、その代はり、試驗前は、教科書の本文と、友人が作った全譯を音讀しながら徹夜で丸覺えした。この有り樣だから「優」は無理だったが、「良」「可」でしのいだ。

 當時は間借りしてゐたので、隣人にとっては、半年毎にドイツ語のお經が夜通し聞こえてきて迷惑だったかも知れないが、音讀での學習は時間が經っても歩留まりが良く、今でもドイツ語のリズムには親しみを感じる。