JIS對ユニコードは代理戰爭

 どうも、JIS對ユニコードの構圖は、常用漢字正字による代理戰爭と考へると合點が行く。JISが常用漢字の代理なのは分かりやすいが、ユニコード正字の代理である理由は、少し説明が必要かもしれない。まづ、臺灣と韓國の文字コード正字が基本だ。これらの國では、慣用的に使はれてゐる略字は少數有るが、正字の體系をそのまま保存してゐる。中國は、簡體字といふ略字を使用するが、簡體字の體系は、正字の體系が基底にあって成立する。同じ略字でも、正字の體系を隱蔽することで成立した當用漢字(現常用漢字)とは違ふ。
 ユニコード統合漢字は、これら正字の體系に馴染んだ文字コードを集めて成立した。しかも、部首構成や收録順序も康煕字典に準じてゐる。その中で、常用漢字體に固執したJISは異端になった。(ここでいふJISとは、X0208,X0213のことで、X0221ではない。念のため。)
 かういふ状況では、JISはユニコードの場で孤立する。JISは、「暑梅海漢煮」などに對して、正字の符號位置に強引に略字を割り當ててゐる。そして、行き場を失った正字を互換エリアに追ひ出した。これが、また新たな顰蹙を買ひ始めてゐる。(言語タグや異體字タグの成立も、JISが正字を受け入れず、常用漢字體に固執してきたことと無縁ではない。)
 JISが孤立してきた歴史は、そのまま常用漢字環境が國際的に取り殘される歴史かもしれない。