ブーメラン

 新常用漢字表への意見公募を提出した。常用漢字表を廢止しろとか、正字を本見出しに昇格させ、略字を括弧内に入れろとか、實現可能性が限りなくゼロに近い要望は出さずに、訓讀みを大幅に擴充するやうに具體例を擧げて提案しておいた。

「「新常用漢字表(仮称)」に関する試案」に対する意見募集の実施について(http://www.bunka.go.jp/oshirase_koubo_saiyou/2009/shin_kanji_ikenboshu.html)

 ところで、世間一般では、漢字字形が一番の關心事らしい。(正字が本見出しになってゐない時點で私は全く關心がない。)一點之繞やら二點之繞やら、略字派同士が新常用漢字表の境界線上で論爭してゐる。結局、この人達は、正字云々の次元でなく、自分の主義主張と違ふ字形が全部許せないのだと分かった。電算機屋は二點之繞維持、教育屋は一點之繞推進が一般的な傾向である。正字を散々迫害して、JIS文字コードを制定しておきながら、その文字コードが原因で、一點と二點の調整もできなくなったのは、自ら蒔いた種であり、ブーメランとも言へるだらう。