ヤ行下二段活用

 語尾の直前拍を五十音図にまとめてみる。

行段 ア段 イ段 ウ段 エ段 オ段
ア行     癒ゆ             
カ行 栄ゆ  消ゆ          肥ゆ 
ガ行                 凍ゆ 
サ行 冴ゆ      饐ゆ         
ザ行                    
タ行 絶ゆ                 
ダ行 悶ゆ                 
ナ行 萎ゆ  煮ゆ             
ハ行 映ゆ  冷ゆ  増ゆ      吠ゆ 
バ行     怯ゆ          覚ゆ 
マ行 甘ゆ  見ゆ          燃ゆ 
ヤ行                    
ラ行                    
ワ行                    
  • (その他)越ゆ、超ゆ、聞こゆ、費ゆ、生ゆ、栄ゆ、萌ゆ、聳ゆ

 正仮名遣ひを実践するための最大の難関はヤ行下一段活用である。用言の送り仮名は漢字で書くことが出来ないので、正確に覚える必要がある。「ワイウエオ」の読みが語尾に来る四段活用の場合、すべてハ行に活用する。「イ」や「エ」の読みが語尾に来る一段活用の場合、「い」「ひ」「ゐ」「ゑ」と表記する動詞は所属動詞が少なく、すぐに覚えることが出来るが、「え」「へ」と表記する動詞はそれぞれかなりの数がある。「え」か「へ」で迷ったときには、「〜やす」といふ派生動詞を参考にすることも有効であるが、それだけでは全ての動詞を網羅できない。