王者木星

「小さな天体が地球に捕獲され、その後離脱した例はいくつか確認されている。可能性がないわけではない。しかし衝突した場合に深刻な被害が出そうな大型の天体は、木星に捕獲される可能性が高い。その意味では、地球は木星に守られていると言える」と同氏は解説する。この研究成果は9月14日、ドイツのポツダムで開催された欧州惑星科学会議で発表された。

 地球生物は、太陽と月と木星によって守られてゐると言っても良いだらう。

 ところで、雑談ついでに近未来の予想をしてみよう。恒星間旅行が実現してゐる。←これは絶対ない。人間程度の質量を持ち複雑な分子化合物が光速に近い速度で移動することは不可能だ。もちろん、クマムシのやうな動物が探査機にくっついて数千年後に蘇生して、他の恒星系で進化する可能性はゼロでない(むしろ、地球の生物こそ太陽系外から飛来して地球で進化したといふ説もある)し、人類だって、御尋ね者が決死の覚悟で宇宙船内に閉鎖生物圏を構築して、何十世代にも渡って船内で代を重ねながら、他の恒星系に辿り着く可能性はあるが、基本的に片道切符で、双方が通信以上の交流をすることはないだらう。恒星間戦争なんてありえない。
 次に、金星や火星に人類が住んでゐる。←探索目的や鉱物資源発掘のための一時滞在はあるけど、定住することはないよ。あんな劣悪な環境で、しかも重力井戸の底に定住するメリットはない。テラフォーミングなんて成功する可能性も低いし、維持するにも莫大なエネルギーがゐる。むしろ、それぞれの環境で生成される貴重な鉱物資源を劣化させるといふ意味で害の方が大きい。
 ぢゃあ、人類は地球に住み続けるのか?確かに住み続ける人もゐるけど、人類の故郷は、地球軌道と火星軌道に太陽を中心として円状に何万個と並べられたスペースコロニーになる。基本的なエネルギーは太陽光でまかなへるし、内燃機関用として効率の良いエネルギーが必要なら土星やタイタンから天然ガスを採取すればいいだらう。また、スペースコロニーを造る材料は、小惑星帯に求めることになる。小惑星には重金属を多く含んだものも存在する。もともとは中規模惑星の核だったものが、ジャイアンインパクトで粉々になった欠けらもある。次に、水星は比較的重金属が多いので、そこで採掘することもありうる。(しかし、重力井戸と高熱の問題で、効率的に採掘できるかどうかは分からない。)
 さうやって、太陽が膨張し始めるまでの40億年間、何も不自由しないだらう。(さすがに、遺伝子の寿命が来て滅びるかもしれんが。)たまに、冥王星に旅行とか行くだらうが、基本的に、人類は、スペースコロニーで生まれて死ぬものだ。ところで、スペースコロニーは遠心力で擬似重力を生み出すのだが、未来の人類が、重力を軽くして低重力で進化を選ぶのか、飽くまでも地球への帰還の可能性を残すために1Gを維持するのかは分からない。
 と書いたけど、数万年経つと、スペースコロニーに実質的支配者は機械人間になって、従来の価値観や倫理観は通用しなくなるんだらうな。