特集「ローマ字の分かち書き」: 実例9

(2019/07/06)

  • 特集「ローマ字の分かち書き」
  • 夏目漱石 坊っちゃん
  • 分かち書き
    • (1) 文頭に置ける言葉は空白を前に置き、文末に置ける言葉は空白を後ろに置く
    • (2) 「です」を後ろに置ける言葉は空白を後ろに置く
    • (3) 「それ」を前に置ける助詞は空白を前に置く
  • ハイフン
    • (1) 三文字以上の漢字熟語は、結びつきの弱い箇所にハイフンを入れ、再帰的に二文字以下の読みにする
    • (2) 接頭辞、接尾辞はハイフンで分ける
    • (3) 助動詞「ます」はつづりが長くなるのでハイフンを前に置く

太い孟宗の節を抜いて、深く埋めた中から水が湧き出て、そこいらの稲にみずがかかる仕掛であった。その時分はどんな仕掛か知らぬから、石や棒ちぎれをぎゅうぎゅう井戸の中へ挿し込んで、水が出なくなったのを見届けて、うちへ帰って飯を食っていたら、古川が真赤になって怒鳴り込んで来た。たしか罰金を出して済んだようである。

 (1) の「文頭」を当てはます。

太い/孟宗の/節を/抜いて、深く/埋めた/中から/水が/湧き出て、そこいらの/稲に/みずが/かかる/仕掛で/あった。その/時分は/どんな/仕掛か/知らぬから、石や/棒ちぎれを/ぎゅうぎゅう/井戸の/中へ/挿し込んで、水が/出なく/なったのを/見届けて、うちへ/帰って/飯を/食って/いたら、古川が/真赤に/なって/怒鳴り込んで/来た。たしか/罰金を/出して/済んだようで/ある。

 (1) の「文末」を当てはめます。

太い/孟宗の/節を/抜いて、深く/埋めた/中から/水が/湧き出て、そこいらの/稲に/みずが/かかる/仕掛で/あった。その/時分は/どんな/仕掛か/知らぬ/から、石や/棒ちぎれを/ぎゅうぎゅう/井戸の/中へ/挿し込んで、水が/出なく/なった/のを/見届けて、うちへ/帰って/飯を/食って/いたら、古川が/真赤に/なって/怒鳴り込んで/来た。たしか/罰金を/出して/済んだ/ようで/ある。

 (2) の「です」を当てはめます。

太い/孟宗/の/節/を/抜いて、深く/埋めた/中/から/水/が/湧き出て、そこいら/の/稲/に/みず/が/かかる/仕掛/で/あった。その/時分/は/どんな/仕掛/か/知らぬ/から、石/や/棒ちぎれ/を/ぎゅうぎゅう/井戸/の/中/へ/挿し込んで、水/が/出なく/なった/の/を/見届けて、うち/へ/帰って/飯/を/食って/いたら、古川/が/真赤/に/なって/怒鳴り込んで/来た。たしか/罰金/を/出して/済んだ/よう/で/ある。

(3) に当てはまるものはありません。
 ハイフンを付けるとすれば、「棒-ちぎれ」が当てはまります。
 ローマ字文では次のやうになります。

  • Futoi Mousou no fushi wo nuite, fukaku umeta naka kara mizu ga wakidete, sokoira no ine ni mizu ga kakaru shikake de atta. Sono Jibun wa donna shikake ka shiranu kara, ishi ya Bou-chigire wo gyuugyuu ido no naka e sashikonde, mizu ga denaku natta no wo mitodokete, uchi e kaette meshi wo kutte itara, Furukawa ga makka ni natte donarikonde kita. Tashika Bakkin wo dashite sunda you de aru.