互換漢字と國内規格

『その制限とは、互換用文字は自国の国内規格との互換目的だけにしか使えないことだ[*2]。この場合では、互換漢字である示偏の「祝」を使うことができるのは、UCSの符号化方法によりJIS X 0213文字集合を実装したり、UCSとJIS X 0213との間で情報交換をしたりといった目的に限定されている。つまり、日本以外の中国や台湾のメーカーが自国の漢字としてこれを使うことはできない[*3]。このように制限しなければ後述する統合漢字と混同してしまい、規格としての整合がとれなくなる。』

 ここは、ちょっと違ふと思ひます。互換漢字の縛りは、そこまではきつくないです。JIS X 0213UnicodeJIS X 0213 を保證する目的なら、互換漢字領域の漢字をどう使っても構ひません。國別にこだはる必要はありません。ただ、韓國の處理系が、Unicode を KS X 1001 に變換するときに、JIS X 0213 の事情に配慮してくれないだけです。逆に、日本人で、韓國が多量に互換漢字を登録してゐる事情を知ってゐる人がゐれば、餘程のマニアだと思ひます。
 さて、單純に異國文字コードの變換なら、JIS X 0208Unicode → ASCII では、漢字が「?」になるだけです。日中韓臺でも、一部の漢字が缺落しますが、これは互換漢字の問題とは違ひます。また、最近は \uXXXX, &#xXXXX; (XXXX は Uniocde符號値の16進數表現)のやうに情報を缺落させないやうに氣を利かせてくれる場合もあります。そのときは、互換漢字の符號値が保存されるので問題は起きません。
 互換漢字の本當の問題は、私は知ってゐますが、連載の續きで指摘されるかもしれないので、續きを樂しみにしませう。本當の答へを知りたい人は以下のリンク先を見てください。