補助漢字

 「はてな」のキーワードだけど、これを書いた人は、JIS擁護派のポジショントークでなければ、全くの素人だね。

『漢字の根拠まで調べられたJIS X 0213ができてその役割は終えようとしている。Shift_JISで利用できないためあまり普及していない。』

 今時、JIS關係者でも、本心ではこんなことを思ってゐない。シフトJISで使へる文字集合(X0208)以外の文字は、ユニコードで使ふしかなく、その場合、JISX0213では、サロゲート地雷や、互換漢字トラップが怖くて、未だに安心して使へない。一方、補助漢字(X0212)は、ユニコードでは、臺灣や韓國の正字と同樣の扱ひで、統合漢字の一部として普通に使はれてゐる。あまりにも自然に使へるので、使はれてゐることに氣づいてゐないだけだ。特に、JIS83(X0208:83年版)で抹殺された正字を、補助漢字が救ひ出した意義は大きく、ユニコード正字が使へるのは補助漢字の御蔭である。
 しかし、X0213が誇る漢字の典據って、手書きの略字(しかも誤字)を對象にしたものだし、こんな漢字を、權威ある漢字字典の親字よりも有難がって收録してゐるんだから、そりゃ誰も見向きしないよ。