新常用漢字表

 うーん、文科省の役人に對する失業對策以上のものは見出せないな。漢字制限に對する是非はあるものの、學校教育で學習する優先度を決めるのなら、教育用漢字を改定すればいいのであり、人名に使ふ漢字が足りないのなら、人名用漢字を増やせば濟む。餘談だが、人名に使ふ漢字は制限すべきでないと思ふが、今では人名に使へる漢字は2900文字もある。あの中にない漢字をわざわざ選んで、裁判を起こしてまで名付けするのもどうかと思ふ。先祖の名前に代々傳はる由緒ある漢字を使ひたいといふ理由ならともかく、それ以外は單なる親のエゴだらう。さて本題に戻るが、今回改定する新常用漢字表なんて、教育關係者からも人名漢字關係者からもどうでもいい存在だ。元々、目安といふ曖昧な境界なのに、曖昧な境界をいじる意味があるのだらうか?
 さて、新常用漢字表の中身だが、字體に偏執なまでに拘る面々が多いなか、音訓に關心を持つ人が少ない。「中(じゅう)」なんて相當醜いよ。「地(じ/ち)」は語頭で單獨の運用があるからまだしも、「世界中(せかいぢゅう)」なんて、どう見ても「世界(せかい)」+「中(ちゅう)」の連濁で、わざわざ「中(じゅう)」といふ新しい讀みを導入する必要性はないだらう。さうやって無意味な暗記物が増えて、子供達はますます混亂するんだらうね。