有坂秀世氏『仮名遣改定案について』

 早熟の天才といわれながらも、病弱の身で四十三歳の若さで他界したが、数多くの論文を発表し、すぐれた業績を残した。没後にはほかに『上代音韻攷』の刊行、『国語音韻史の研究』『音韻論』の増補、未発表論文などをまとめた『有坂秀世言語学国語学著述拾遺』の刊行がある。

 徹底した表音主義者ながら、仮名遣改定案を不徹底として、歴史的仮名遣ひの維持を訴へる。