日本人はなぜ英語ができない?

 少しでも、言語学をかじれば、日本語と英語の距離は、諸言語の中では最長に近い分類になるのだが、どうして言語学者の中から、「日本の英語教育は間違ってゐない。日本語と英語の距離を考へれば、最も理想的な教育方法である」といふ弁護が聞こえてこないのだらうか。もっとも、鈴木孝夫先生などはそのやうなコメントをしてゐたから、言語学者は大半は分かってゐるのだけど、鈴木先生のやうな何を言っても許される巨匠と、世間の常識に合はせておかなければ研究が続けられない駆け出し学者の二通りに分かれて、結局、事なかれ主義で、英語教育批判を黙認してゐるのだらう。