MT車と『私をスキーに連れてって』

 闇黒日記で運転免許試験のことが話題になってゐる。最近はMT車なんてほとんどないとのこと。実際、私も免許を取って20年以上、MT車を運転したのは3回しかない。一度は学園祭の荷物運びのために、サークルの行事で2トントラックを運転したとき、次にバイト先の工事現場で、ワゴン車を移動したとき、最後は叔父の車の車庫入れ。公道で運転したのは実に一度だけ、トラックはセカンド発進でもエンストしないので、公道エンストの恐怖は辛うじて免れた。それもこれも、全て免許を取ってから3年以内の出来事である。当時は、AT限定免許なんてないし、ドライバーのシートベルト着用が丁度義務付けになった時代である。その後、ゴールド免許の更新を3回してゐるから、それなりのセーフティードライバーではある。
 で、なぜ表題の『私をスキーに連れてって』ってにつながるかだが、昨日たまたまBSを見てゐたら、原田知世主演のスキー映画がやってゐた。丁度、私が免許を取り立てたころの映画だ。当時は、スキーブームで(後で考へると長野五輪を盛り上げるための電通の壮大な釣りだったのだが)記憶に残ってゐるのはスキーのシーンしかなかった。ヒロ君(故沖田浩之氏)の凛々しい演技を拝んだし、後にホームドラマで一世を風靡した布施博が出てゐたし、三上博史竹中直人も若かった。1987年当時はスキーブームのはしりだったので気付かなかったが、90年代のスキー全盛期の肥えた目で見ると、みんなスキー歴ひと月レベルの腕前だったりする。(あとでWikiで確認したら私の見立ては正しかった。)で、ときどきスタントによる滑走シーンがあるが、その技術ギャップが一目瞭然である。
 話はそれたが、映画のシーンにカーアクションもあった。当時は大学生でもスポーツカー(もちろんMT車)を乗り回すのが当たり前だったので、特に意識しなかったのだが、知世ちゃんのお姉さんの貴和子ちゃんがドライバー役で、セリカGT4でアクセル全開スタートや雪面ジャンプをしたりするのだが、「女もすなるカーアクション」といふか、当時はスキーだけでなく、車も派手だったんだなぁと、ハブル文化の異次元性を改めて実感してしまった。