『古語と現代語のあいだ』

(2019/01/20)

 『かなづかい入門』*1と同じ著者です。『かなづかい入門』の初版が2008年で、その5年後の2013年に出版された本です。第三部の目次を紹介します。

古語と現代語のあいだ ミッシングリンクを紐解く (NHK出版新書)
 詳細は著書を読んでください。2013年の内容なので現在とは若干異なるかもしれませんが、現状認識はほぼ同意できる内容です。それに私は実践の人なので、他人の意見に細かくコメントをするのは性に合ひません。
 私は、歴史的仮名遣ひも現代仮名遣ひも正仮名遣ひの一種であるといふ認識です。歴史的仮名遣ひが、正仮名遣ひの正式版、現代仮名遣ひが略式版です。表音化が現代仮名遣ひのレベルで留まってゐる分には、いつでも歴史的仮名遣ひに戻ることができます。したがって、著者と同様、現代仮名遣ひも受容してゐます。これは、一般的な正仮名遣ひ派と意見が違ふのかもしれません。
 ただ、発音は常に時ともに変はるので、200年後の日本語話者にとって、今の現代仮名遣ひも運用に支障を来たすでせう。難易度としては、歴史的仮名遣ひと大差がなくなります。となると、またその時代の略式仮名遣ひを作ることになりますが、キリがありません。結局、仮名遣ひの一貫性を維持して文章を蓄積するには、正仮名遣ひの正式版である歴史的仮名遣ひの方が有利になります。